桜、残像が本体なんすかね 取り替えられないポスター 穀雨 望まれていないイクラを生み出して口元だけで笑うスポイト 自覚なく常に何かに飢えすぎている物置の置き物たちよ (食べたことがない食品はいつまでもありつづけるが)小さな世界 生きていることと生…

[大きいことは幸福だ]垂れ幕をかけた大仏監視される街 家庭料理師試験不合格者が鯖缶に肌色のルビをふる 伊勢丹のたんの部分がかわいくて揺れながら通過する快速(※) メロン色のデコトラにも一景は無言で通りたい海があり 府中-分倍河原間で起きた人身事故(神…

仮眠して仮眠が吹き抜ける朝の体育座りの脚の三角 背の高い木がある場所で名護の子が永遠にうれしそうにしてる いま部屋に触ると熱い糸くずが落ちているけどそれは歌だよ ｢レモン｣｢夏｣｢さよなら｣｢溶ける｣｢セーラー服｣｢廊下｣が歌われない曲がいい ポシェット…

【カステラのいちばんおいしいところ色】の壁の部屋に落ちる吸殻 八王子に王子は一人もいなくてこどもの夕陽が沈む日野橋 スクリューがまくり続ける海そのものがイルカ語の詩歌のページ 隠されたユーモアだ(神保町の｢ンボー｣の部分とかではないです) さよう…

浜(誰かが二度とはかれることのない靴の下駄箱にしてしまった) 俺もまたつぶあんであり｢つぶあんはありますか？｣とたずねる人の無さ そしてだれかが磔になる必要があり等身大パネルは生まれた 鳥瞰図を見ても鳥の気持ちにはならなかった遠足の日の雨 また今…

きみのいたところに孟宗竹の種が落ちていた 竹の種だ 夢だ 光沢のあるプラスチックの箱の中の紙箱の中のビー玉 舌の上に乗せると解けていく蝋を歯茎でずっと留める特技 抜けることが想定されていないので永久歯の行く天国は無い 死んだ蜂ばかりを詰めたクッ…